新しい日

今日は10月の一日ということで会社の正月に当たります。一般的な暦であれば1月の一日が年のはじめと成りますが我が社栗田機械製作所では会計年度の始まりは10月ということになります。

政治の世界であっても国会が始まれば天皇陛下をお呼びしてお言葉を頂戴します。その後総理大臣が国会の開会に当たって所信を表明します。
私は天皇陛下でもなければ総理大臣でもありませんが一つの会社を預かる身として皆さんにこれからの会社について所信を表明したいと思います。

 今私は非常に緊張しています。なぜなら今日という日が私にとっても、我々栗田機械にとっても重要な日だと言うことを知っているからです。皆さんも是非今日という日を忘れないでいてもらいたいと思います。

西暦2010年平成22年10月1日という日は未来への扉となる日となります。
 
その事を説明することで話のポイントは一つの事柄と二つの言葉です。たったの3つですので決して忘れないでいただきたいと思います。

1930年に我々栗田機械は生まれました。それから80年様々なことが起こりました。
 胸のすくような話もあれば、唇をかみしめ屈辱に耐えた日もあったのです。

1930年という年は大変厳しい年でした。今とは比べようもないほどの不況、政府も今とは比べようもないほど無策。町には失業者があふれ、希望を失っていたと言います。
創業者である栗田金太郎はそのような状況で創業を決意します。当初フィルタープレスも製品として上がっていたかどうかも確かではないのですが色んな機械を作っていたようです。
そして二代目社長の時に全自動機の開発に成功し、3代目の時には自治体を始め多くの販路を開拓していったのです。
 それは我々の先輩が作ってきた道であり、今現在私たちが歩みを共にしている道でもあります。
その道は胸のすくような話もあれば、唇をかみしめ屈辱に耐えた日でもありました。

 経営の上の判断も当時はよかれと思ってやってきたことも今になれば裏目に出ていたり、その逆で当時は大きな失敗に思えたことも今となっては会社の大切な財産になっていたりしている。

たとえば利益も出ていないのに従業員の皆さんに賞与を払う、税金を払う。そのために借入金を起こすなど一見良さそうに思えることも、続けば会社にとって重荷を増やすことになります。

その重荷の数は40億円という借金として私たちの前に立ちはだかりました。

毎年2億円の利益を出してその半分の1億円を、その重荷の消化に使うとして40年かかる。 40年・・・気の遠くなる年月が必要。

しかし、裏目に出たことは私たちにとっては非常に痛手となってきた。それはあたかも、身の丈以上の重荷を背負いながらあてもなく旅人のようだった。

 皆さんにとっては『またか・・・」と思われるかもしれないが財務リストラとはそういった経営上の判断のゆがみを正し、その重荷を下ろしていくことだったのです。

平成14年いまから7年前に着手しはじめ、九条工場や玉船倉庫、大東工場などの資産を売却、年次昇級や一時金に支給の見合わせ、新卒採用の抑制など様々な施策を計画し実施してきました。一つづつ背負ってきた重荷を下ろし、体質を変え外部からの厳しい視線にさらされながら私たちはその歩みを止めなかった。

しかし、今日という日・・・その重荷が無くなった日である。それは奴隷が鎖を説かれた日、鳥が巣から出て初めて羽ばたく日なのです。

ではどこへ行くか?

わしが指を指したる


世界や


世界で戦うんや
世界で戦って一位の会社になるんや

俺らにはその力はあるはずや
絶対にあるはずや

トヨタみたいにソニーのように
日の丸を背負う会社になるんや

ここからこの場所から、ここからここからここで


戦う場所は世界や

戦う相手は
世界なんや!!

5年後、日本でのドングリの背比べから抜け出す

10年後、日本国内で売上高100億円を達成して全日本代表になるで

20年後、売り上げ500億円の会社になってる、

働く環境も売ってる物もおるスタッフも世界一にしたる。

さぁ  ここで逃げるな笑うな、しっかりついてこい

でもな今までの延長線上には答えは無い、絶対にない。今までやってこなかったことにその答えがあるんや

そこまでやるんか・・・それが答えなんや

最後にこれから20年間のスローガンを考えたんで皆で
声を合わせたいと思ってます。

二つある。
一つは会社自身の姿勢、社長や経営の姿勢であります。
百錬成鋼」
これは鋼は100回打たれて強くなることからきている。
安易な道を選ばず叩きのめされる道を経て成長を期する物である。
平たく言えば日本刀や

もう一つは企業文化のはなしや
昔から日本人が好きな言葉がある「和を以て貴し」・・・聖徳太子が言いはった言葉らしい
あえて言いましょう、これはあかんでこれからは
「切磋琢磨」
お互いが持っている技を磨きあう様や安穏としとったらあかんのや。